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高校の同級生に、校長先生をやっている男がいる。
非常にユニークな男で、まさか教師になるとは思わなかった・・・。。



高校の修学旅行の時の出来事。


彼と同じクラスだったチョコボは、当時体育委員をやっていた。
ホテルの大部屋は隣のクラスと同部屋。


消灯の時間が過ぎ、睡眠に入る頃、お決まりの枕投げが始まった。
男子60名程が全員参加の枕投げ。
一人を見張りに立たせやるのだから、これはもう確信犯である。


案の定、階下の騒ぎを聞き付け体育の教師がやって来た。
電気を消し、一斉に布団に潜りこみ知らん振りである。
教師が「こら!分かっているんだぞ!お前ら起きろ!」と怒鳴っている。
全員が知らん顔。。。。中にはイビキをかく真似をする奴がいる。
2~3人が我慢出来ずに吹き出している。


教師は、「よ~し・・・・明日覚えてろ!」と言い残して去って行った。


翌朝7時前、同室の生徒40名程と、階上の教師の部屋の前にわざとらしく正座をして並んだ。
驚いた仲居さんが教師の部屋に行き、教師を呼んで来た。
教師が来ると、みんなで頭を床になすり付け、「昨晩は申し訳ありませんでした。今日は、反省の為どこにも行かず、こうして一日謹慎をしております」とわざとらしく言った。


仲居さんが運んで来た朝食のお膳の中に、ビールを見つけた我々は、そのビールをじーっと見つめながら、笑いをこらえていた。


さすがに教師は、「もういい・・・。部屋へ戻れ。出発の用意をしろ!」と言う。
我々は、「そういう訳には行きません。こうしています」とキッパリ言う。
一般のお客もジロジロ見て行く。 その教師、バツが悪そうに「よし!帰ってからだ・・・。今日は、なし」と取り繕う。結局は、我々の嫌がらせで終わった。


翌週の体育の授業の時、その教師が言った、「お前ら若いうちは何をやっても許されると思ったら大間違いだぞ!」・・・・。
「もし、お前達が飼っている犬が、全然言う事を聞かなかったらどうする?やっぱり厳しく躾けるだろう?・・・・。。それと一緒だ!分かったか。」と言った。


すると校長になったその友人、「先生!僕は違います。僕だったら、その犬に対して、矢鱈に怒るのではなく、まず美味しい物を与え、頭をよしよしして、なつかせてから躾けます。」と言い放った。
その教師は、口をモゴモゴさせ、何も反論出来なかった。
40年前のやりとりを、ハッキリと思い出す。


その彼が教師になっていた。


聞けば、クラスを担任していた時、生徒からも、父兄からも、非常に人気のあった教師だったそうだ。


そりゃそうだ・・・。彼ならうまく教育しそうだもんなぁ~・・・。





明日は、彼が中学の教頭だった頃の話を書こう。
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